SOLD OUT
全国新酒鑑評会は、明治44年以来83回 にわたり、東京都北区滝野川の国税庁醸造試験所で行われてきたが、平成7年に酒類総合研究所として東広島市西條に移転したため、滝野川の歴史に幕を閉じ、昨年は中止された。本年 (H8)は、新研究所で再開されることとなり、2年振りに84回目の新酒鑑評会を迎えた。
この新酒鑑評会は、吟醸酒の品質を競う唯―の権威ある全国大会である。各地域 11の国税局で行われる地方予選を勝ち抜いた銘酒が一堂に会し、予審通過 (銀賞)の中から緒審で金賞が決定する。
清酒の級別廃止、特定名称酒表示などに伴い、消費者の高級酒への関心が高まり、この鑑評会金賞を受賞しようとする蔵元の憲気込みは最近ますます盛んである。金賞受賞酒は平成に入つてか ら年々増加し続けてきたが、本年(平成7酒造年度)は、一昨年より若干減少して、金賞263銘柄 (277蔵 )、 銀賞151銘柄 (162蔵 )という結果であつた。
本鑑評会での金賞受賞酒を、 何回も金賞を受賞するということは、その蔵元の実力と熱意を示すものと考えられる。
このような観点から、編者らは過去20回の全国新酒銘評会の入賞データを県別に整理し、特に最近の10回については金貧受賞回数別に分類して、一覧表を作成した。入賞以外の地方の隠れた銘柄についても補足し、掲載銘柄数は1,255種 、全国蔵元数の半数以上となっている。また、戦前行われていた全国清酒品評会等で優秀な成績をおさめたものに加えて、吞兵衛の常識として、歴史、お米、味と臭いなどのウンチクを加えて、折りたたみのポケットサィズにまとめた。
本表は、毎回新酒鑑評会が終わる度に改訂し、発行を重ねている。ウマ酒を追求される愛飲家諸氏にご活用いただければ幸いである。
編者 :堀井 秀治・塩田 耕三
【補 足】
日本酒の起源をさかのぼると、BC3000年頃との記録もある。ウマ酒を求めて現在に至る。この歴史に裏打ちされ、なお進化を続ける日本酒をいただける幸運を感じながら、美酒・銘酒を求めて拘りたいものです。